ACTIVITY REPORT

活動報告

2025年10月23日(木)

令和7年度 広島県社会福祉法人経営青年会第2回研修会・取組発表・情報交換会

第1部 講義:「広島県の医療介護福祉行政について」~地域包括ケアシステムの構築と持続可能な経営を目指して~
 
講師は、内科医として薬害AIDSの対応などに従事した後、2014年から厚生労働省で新型コロナ対策に携わり、現在は広島県健康福祉局長を務める北原加奈子氏です。健康福祉局は「厚生環境事務所・保健所」と「こども家庭センター」から成り立っています。
北原局長は、まず我が国の社会保障制度の成り立ちや歴史的な人口推移を丁寧に説明され、現代の高齢化や人口減少といった課題を、豊富なデータと正確な統計を基に解説されました。今後、日本全体の人口は減少し、特に後期高齢者層や団塊の世代の子世代にかけて高齢者人口が増加する見込みです。中山間地域では高齢化率の増加に加え、若者の転出などによる人口減少も深刻であり、医療・介護・福祉分野でのマンパワー不足が顕著になることが予測されます。
こうした状況を踏まえ、広島県では待機児童ゼロの実績や、地域包括ケアシステムの先駆的な取り組みなど、全国的に評価される施策が行われていることを紹介されました。さらに、介護テクノロジーの導入や介護ソフトの先進モデル、補助制度、業務改善支援「介サポひろしま」、複数法人の社員が連携する「社会福祉連携推進法人」の活用など、現場で活用可能な支援策についても具体的に示されました。
職員の人手不足については、離職理由・職場定着理由ともに「職場の人間関係」が最多であることや、転職理由として「成長志向」や「業務適正・安定・魅力」が挙がることなど、統計から分析された現状も共有されました。北原局長は、DX(デジタルトランスフォーメーション)を単なる効率化にとどめず、「利用者との時間の確保」や「職員の働きやすさ」に活かす重要性を強調され、会場は前向きな雰囲気に包まれました。
 
第2部 実践報告:青年会メンバーの取組発表「地域共生社会の実現」
 
実践報告では、江田島市の社会福祉法人誠心福祉会より、三王弘樹氏(介護主任)・西崎大助氏(生活相談員)が登壇しました。同法人では、老朽化に伴うデイサービス施設の建て替えを機に、利用者が主体的に楽しみながら参加できる活動として、ダンスプログラムを導入しました。
選曲は山本リンダの「狙いうち」。誰もが口ずさめる軽快なリズムに合わせた振り付けは大好評で、日を追うごとに参加者が増加しました。身体機能の向上だけでなく、無口だった利用者が挨拶を積極的にするなど、心の変化も確認されました。職員からも「腰痛が改善した」「集中力が増した」との声があり、利用者だけでなく職員の健康にも好影響を与えています。
さらに、この取り組みは地域にも広がり、家族や住民が一緒に参加することで、地域サロンや認知症カフェに展開し、地域ぐるみの健康づくりとして注目を集めています。第2弾として米米CLUBの「浪漫飛行」にも挑戦し、好評を博しています。北原局長も「利用者の自主性を引き出す優れた取り組み」と高く評価され、今後は郷ひろみの「お嫁サンバ」など新たな楽曲にも挑戦予定で、さらなる展開が期待されています。
 
今回の研修会では、広島県の福祉・介護・医療の現状と課題を正確に理解するとともに、現場で実践されている創意工夫あふれる取り組みを学ぶことができました。行政と現場が互いに支え合い、地域全体で福祉を推進していく意義を改めて実感できる貴重な機会となりました。
 
研修会・取組発表・情報交換会は広島市内中心部にございますリーガロイヤルホテル広島で行いました。情報交換会は51名の方に参加して頂きました。

2025/10/23 09:37 | 経営青年会

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